piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

それでも「吹っ切れてる」わけじゃない。

昨日の発達障がいの話に続いて、spotlihgtさんから興味深い記事があったのでちょっとそれについて書いてみようと思います。


「結婚はしたけど子供は作らない」と決めた夫婦たちにその理由を聞いてみた

 

我が家も結婚して3年が経過しましたが、いまだに子どもはいません。理由は前の

 

綺麗事ではないのは本当。 - asterixxxの○○嫁日記

 に書いてあります。がちょっと「なぜ子どもがいないのか」ということにもう少しスポットをあてて書いていこうと思います。

 

結婚してすぐ転勤、そこでは…

結婚して比較的すぐに今の住んでいるところに引っ越してきましたが、「東京から一番近い田舎(?)」を自称している地域(しかも県内では一番の出生率を誇り、国の目標の1.8くらいかと)なためか、私自身がふくよかな体型でしかも常におなかの調子が悪くて張っているためか(これは痩せないといけないと思いつつなかなかやせられない)、「あら、おめでた?」「あら、(出産)いつなの?」「お子さんの予定は?」と都市部ならば「それ、セクハラだから!」と横から突っ込みを入れられるような質問を平気でされます(とくに後期高齢者の女性)。同じ女性だからなのか、その質問が「デリカシーに欠ける」ものと気づかないのか、自分たちが結婚して間もない頃は結婚したら次は子ども!というのが「当たり前」だったからなのか…。子どもが産めない産まない女性は「石女」なんて言葉もあったくらいだし仕方が無いと思いながらも「アハハ、ないですよ~!自腹です~」「こればっかりは神様しか分かりませんよ~」と答えるしかありませんでした。おかげで普段着以外はワンピースを着なくなりました。

 

さすがに諦めたか?

今年都議会で独身の女性議員に対して「結婚はまだか」といわゆる「セクハラヤジ」が飛んで大きなニュースになったのもあってか、「いくら待っても子どもの話を聞かないから…」とあきらめモードになったのかさすがに時間の経過とともにこのテンプレ質問はあまりされなくなりました。もしかすると「ああいわゆる不妊症なのね」と影でひそひそ言われているに違いありませんが。

 

「結婚はしたけれど子供は作らないと決めた夫婦たちにその理由を聞いてみた」の記事から

リンクの記事を見てみると、男性・女性両方バランスよく「理由」が書かれている。

  • これまでの人生がつらかった(男性2人)
  • 子供が産まれると余計な人間関係が発生してしまう(女性)
  • 人生で心配の種を増やしたくない(女性)
  • どんな子供が産まれるかわからない(男性)
  • そもそも自分だって親にもう会っていない(男性)

となっていました。たしかにこの見出しに共感でき、「ああうちもそうかも」と思うところと「そうでもないかな」と思うところがありました。

特に不安要素を増やしたくない、人間関係が増えてくるというところは出産や育児(育児はメインは母親であっても父親も少しは参加するべきだとは思うが)の当事者でもある女性の意見だなぁと思った。特に夫が現役の間は住むところを選べないので子どもはともかく自分がその親たちと「何かが合わない」と思ってしまったらと思うと不安でもあるし、そもそも子どもが高い割合で発達障害に生まれてくるだろう、ということだけは予測できても、他の障害についてはまったく予測できないし必ずしも「五体満足」なわけではないのです。夫にも聞いてみたことがありますが、やや「これまでの人生がつらかった」に近いものが返ってきました。発達障害のいわゆる二次障害(鬱など)になったことはないけれど、いつもいつも30数年間「お前は変わっている」とレッテルを貼られて阻害されるのが嫌だったのかもしれません。「そもそもアスペルガーの俺にできる仕事があって結婚できてローンを組んでるとはいえ新車が買えていることが奇跡」とも言っていました。

ちょっと突っ込んだ理由

もうちょっと突っ込んだ理由だと、私自身が「やりたい」と言った習い事はほぼ全てやらせてもらえていたし、小学校から大学卒業まで、受験に失敗したり自分の進路がわからずに迷走したこともあったけれどもお金のことを何一つ心配することなく、両親がスポンサーになってくれていたということがあります。だからこそかもしれないけれど、せめて自分の子にもお金の心配をせずにのびのび自分のやりたいと思ったことをやって欲しいし、できるだけのサポートをしてあげたいと思っているところです。

また「夫と私の子どもの教育方針が一致しない」こともあります。「大学なんて行かなくていい」と言っていますが私自身は「社会に出てから恥ずかしい思いをしないようにせめて最低限の教養や知識、人づきあいに必要なマナーやスキルくらいは持っていて欲しい」と願うのでつくづく「合わないなぁ、これでは子どもがかわいそう」と思ってしまうのです。

あとは夫の定年との兼ね合いも心配になってきました。もうアラフォーに足を突っ込んでいるので子どもが大学を卒業する頃には定年まであと数年に。さらにちょっと体力が落ちてきたのもあって「やっぱり子どもを持つなら20代かな」とぼやいていました。私自身も「若くて体力がないと出産は厳しいだろうなぁ」と思うようになって来ましたし、もうちょっとしたら高齢出産の部類に入ってしまうしそこからの子育てを考えると不安があります。

さらには「産めばなんとかなるよ」と言っても高度経済成長期やバブルの時代ならいざ知らず、今は「産んだだけ」で文字通り子どもを放っぽらかしているわけにはいかないのです(経済的にも、教育的にも、ところにより治安的にも)。目を放した隙に何かの犯罪にあったり交通事故にあって死んでしまうかもしれない。それを一生悔やんでしまうかもしれない。それも理由のひとつです。ちょっと上の「心配の種を増やしたくない」に似たような理由かもしれません。

 

だいたいこれらが「結婚したけど子供は作らない」と決めた理由にあたるかと思います。それでも「吹っ切れてる」わけではなくまだまだ揺れるときも多々ありますが。たぶん「まだ産めるかもしれない」年齢だからかもしれません。