piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

芸術は絶滅するのか?ということについて

はてなブログで盛んにブログのトピックになっているものに「芸術は絶滅するか」という内容があった。

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たしかに「新たな芸術のスタイル」が出てこなければほとんどが「古典(クラシックというとなんだか誤解する人が居そうなのであえて)」になってしまうのだろう。「文科省認定ほにゃらら」になって美術館やら博物館やらに「保存される」ものとなってしまうだろう。

あるところでふと耳にしたのは「伝統を無視し、離れたジャンルは必ず絶滅する」という話があった。音楽にしても今流れているポップミュージックにしたって何らかのルーツとなる音楽があり、それが民族音楽であったり、黒人のブルースであったり、はてまたクラシックのバロック音楽であったりすることもある。だから結局今「もてはやされている」音楽も「何かの源流を持っている音楽」たちなのだ。それがいいとかよくないとかは別の話として。また、今の流行っている音楽の「源流探し」というのも案外楽しいかもしれないし、源流にたどり着いたら、なんだかそれが楽しくなってしまったという私のような人間も居る。

私は美術とか他の芸術に関しては本当に見るだけというか傍観者というか自分の専門ジャンルとしている音楽ほど詳しくなくてつたない意見で申し訳ないのだが、美術にしたってルネサンス印象派からどんどんそこから「派生した」新しいジャンルを生み出していて「現代美術」になってきているのだと思うし、ダンスにしてみたって古典でもありすべての踊りの「基礎」ともなっているクラシックバレエがある。そこからモダンや舞踏、ジャズダンス、ひいてはヒップホップダンスなどになってきているのだと思っている。建物だって今でこそ「近代建築」や「古民家」など「クラシックなもの」に再び注目が注がれているし、それらの建築を残そうとがんばっている人たちも居る。時代的には古いデザインかもしれないが、それが逆に今の21世紀に生きている私たちにとっては斬新だったり「なんだかカッコイイじゃん」となってきているのかもしれない。

さて、私としては「今耳にできている音楽」、「これまで先人たちが残してくれた名曲たち」は未来にわたって残していかなければならないし、残っていくべきであると思っている。特に源流となっているものをいかに「汚染されずに」遺していくかが重要なのだ。もちろんそこには教育も必要だろう。そして「そういったモノがある」と認知されることも必要だろう。なんらかの「メディア」に遺して保存していかなければいけないのかもしれない。それを「ハコモノ」といわれてしまうのかもしれないけれど、その「継承者」となるような演奏家や指揮者などからはその「ハコモノ」が大切なものとなっている。

新しいジャンルが生まれてくるかどうかは私にはわからない。
だけど、これまであるものを享受している私たちの大切な仕事として「何を遺していくべきか」ということと「遺していくべきもの」を未来へと何らかの形で残していかないといけないものであるのは確かであるかもしれない。その意味では「芸術」というジャンルはきちんと伝統にそったものは残っていくのではないかと思えてくるのだ。