piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

「あまちゃん」の再放送を見ていていろいろ感じたこと

みなさんこんにちは。

 

4月に入ってからは、7時15分~あまちゃん再放送、7時30分~まれ、7時45分~こころ旅という感じでずっとBSプレミアムばかりを観ています。「あまちゃん」は途中から観たドラマなので、後のほうはわかっていても、最初のあたりはあまりよくわからなかったのですが、今やっと見れているので「ああなるほどなぁ」と思いながら観ています。以下はあくまでも私の個人的に感じた「ドラマの感想」ですので、「ああこういう風に見る人も居るんだなぁ」くらいに思っていただければと思います。

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うちのリモコンではありません。

 

リアルタイムで見ていたときにも感じていたことですが、「あまちゃん」はかなりの伏線が張られていて、後できちっと回収しています。あとはギャグの使い方も細かいし見ている側も不快にならないで見ていられます。もともとクドカンさんが演劇も書いていたというのもあって音楽の使い方も効果的です。

 

 

ただ、どうしても時間的に「あまちゃん」の後に「まれ」を見てしまうと、「う~ん、ちょっとリアリティがないような…」と思えてしまったり、登場人物の心理描写がいまひとつな感じだったりします。役者さんは演技力のある人を使っているなぁとは思いますが。BGMのヴォーカル曲の多さが気になってしまったり、とどうしても「あまちゃんとの比較」になってしまうところがあります。ただ、「まれ」は割とこれまでの朝ドラの「王道」を行っているドラマで、ちょっと変わっているところは主人公が極度の夢アレルギーを持っているくらいでしょうか。

 

 

ただ、パティシエも「バクチのような夢」ではなくて「職人」である以上「地道にコツコツ修行を続けてなるもの」というイメージがあるのに、なぜか本人は公務員を志望するというのがなんとなく「うーん」となるところはあります。もちろん公務員試験に受かるには「地道にコツコツ」勉強をしないと受かりませんがね。

 

 

一方で「あまちゃん」を見ていて感じたのは、ヒロインは能年玲奈演じる天野アキだけではなく、実は宮本信子さん演じる夏ばっぱも小泉今日子さん演じる天野春子も「3代のヒロイン」がいる、ということでした。さらにはそこにユイちゃん(橋本愛)や鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)まで加わってくるのですが。天野アキだけのストーリーが描かれているわけではなく、お母さんの春子さんが「なぜ久慈に帰ってきたのか」ということに至るまでの思いもちゃんと描かれていて、それが案外「これは観ている全国の主婦がウンとうなずきそうだ」と思うものだったのです。

 

 

「(自分のお父さんが漁師で帰ってこないので)結婚するなら帰ってくる人がいいと思ったけれど、家に毎日時間通りに帰ってこられるとしんどい」というようなことを春子さんは言っています(細かいセリフのニュアンスは忘れてしまいましたが)。また、春子さんを追いかけてきたタクシードライバーのお父さんも「子ども(アキ)が生まれてからは会社のドライバーを辞めて、平日は毎日18時に帰宅して、土日は休み。父親が居ないとダメでしょう」ということを言っています。

 

 

世間的にはお父さんのような父親、夫というのは今でこそ「家庭を大事にする良きお父さん、夫」となって傍から見れば「なんでそれで離婚したいのかわからない」となってしまうわけですが、逆にそれが妻である春子さんの自由を奪ってしまっていたのでしょう。そのほかにも「夫が求める理想的な家族」を演じなければならない窮屈さや家庭の中ではちっとも会話がなかったことを「離婚したい理由」として描いているのです。

 

 

つまりは「世間的に完璧な家族を求めるお父さんについていけなくなった」のです。たとえパートや働きに出る必要がなくて、世田谷のマンションに住めて、子どもも私立の学校に行かせられるくらい経済的に困っていなくても、家庭を大事にしてくれる夫であっても、「ある種の息苦しさ」や悩みがあって、それはその人にしかわからないものなのかもしれません。

 

 

もちろん「あまちゃん」は高視聴率をたたき出し社会現象にもなり、劇中に出てくる「じぇじぇじぇ」も流行語になり、岩手県の久慈にもたくさん観光客が訪れて、北三陸鉄道のモデルになった三陸鉄道も乗る人が増えたのはご存知のとおりでしょう。でもやっと再放送になって改めて見ると「やっぱりよくできているなぁ」と思ってしまうのです。