piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

あめつちにみちみつる―きょうは小満―

みなさんこんばんはPiantinaです。

 

 

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今日は二十四節気では「小満」。陽気がよくなり、万物が成長する気が長じて万物が天地に満ちはじめることからいわれているそうです。暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始め、紅花が咲き始めるそうです。

 

 

きのう、今日と教会の長老とも呼ばれる方(まぁ信徒さんの中で最高齢の方なわけで、当然のごとく?90代のおばあちゃんです)の息子さんががんで亡くなり、お通夜と告別式をやっていました。春になり始めるあたりから入退院を繰り返し、今月の初めくらいには余命宣告までされていましたが、ちょうど新月のあたりで突然の訃報が飛び込んできました。

 

 

その方はうちの親よりも若かったし、まだまだ寿命で死ぬというような年齢ではありませんでした。だけども、自営業を営んでいて、もともと遺伝的要素(長老のおばあちゃんのご主人もがんで亡くなっている)があったにもかかわらず、スポーツも、それほど暴飲暴食もしていなかったようです。ただ、検査に行くことができず、発見が遅れてしまったようです。

 

 

そんな方の葬儀ですから、教会員の方たちも駆けつけ、商売関係の方も駆けつけ、ご近所さんも駆けつけるということになりました。お通夜はご主人のときと同じようにご自宅でされて、少々狭いながらもお祈りを捧げることができました。喪主は長男さん(これまた私より若く、まだ20代です。つまり長老のおばあちゃんから見て孫)で、非常にしっかりした感じで挨拶をされており、「う~ん、果たして自分があのくらいの年齢で喪主が務まったのだろうか」と思うと微妙な気持ちになります。

 

 

なによりも、息子さんをなくされてしまったおばあちゃんの方のほうが心配です。教会には「元気なおばあちゃん」がたくさん来ているのですが(いずれ私もそうなるのかな?そのころまでに日本にうちの教派の教会が存続しているかどうかも謎ですが)、私の知る限り「脅威の90代」に数えておかしくないくらいのすごいおばあちゃん信徒さんです。

 

 

ナニがすごいって、もちろん健康体で自転車にも乗るし、杖も使わずに歩いています。さらにはお料理上手で(昨日お宅に伺って立派なキッチンがあって思わず納得してしまいました。広くて立派なキッチンだったらそれはお料理のモチベーションが上がります)、味付けも変じゃない!味覚もちゃんとしているのです。若かった頃は病気がちだったとおっしゃられていましたが、件のご長男さんを出産してからは健康体になったとのことです。

 

 

入院生活から自宅療養になってからも息子さんの看護を続けていたそうで、さぞかし「自分の子どもの病気で苦しむ姿」を見ることはどれだけつらかっただろうかと察して余りあるばかりです。飼っている猫ですら車で病院に連れて行くとき、自然と涙があふれてきていたというのに、それが自分が産んで大事に育てた子どもが…となったらもう胸が張り裂けそうになるんじゃないかと思えてきます。

 

 

そんなわけで、いろいろとバタバタしながらも今回のご葬儀も頑張って弾きました。私は何があっても「弾くのが仕事」ですので、聖歌の歌詞やメロディに気を取られて涙を流す余裕もなく、大勢の方の前で「大きなミスがないように弾く」のが仕事です。弾くことに集中していたというのもあってか、あまり悲しむ余裕がなかったともいえます。

 

 

今回の場合は「お通夜はご自宅で」ということもありましたが、もちろん葬儀のスタイルというのは色々と選べるようになって葬儀会館でされる方も居ますし(そういう場合はキーボードを持っていきます)、どちらも教会の聖堂でという方も居ます。最近では全体的に大掛かりにやらず、「なるべく身内で」とか「直葬スタイル」を取られる方も居ますし、お墓にもこだわりがなくなっているように思います(墓守になるような人がいなくなりつつある、という現実がある)。

 

 

こうやって弾きながら、「さて、ん十年後か来週かになる自分のときはどうしようか」と考える私でした。聖歌は候補がすでにある状態ですが(笑)奏楽曲もリクエストがすごいので弾く人が大変ですが、当の私は文句言われても聴こえませんし(笑)