piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

冷えとりが叩かれる理由を私のアタマで考えてみた

みなさんこんばんは、Piantinaです。
昨日、こんな記事を見つけました。

allabout.co.jp

ちょっと涼しくなりましたし、昨日も東京へピアノのレッスンに行ってちらほらお店を見てみると、さっそく並んでいました、冷えとり靴下セット!でも、ネットのほうが若干安く手に入るしオシャレなものもあったりしますので、あえて手は出さずに帰りました。

 

 

書いている方はどうやらお医者さんのようです東京の目黒で開業しているようです。皮膚科のお医者さんということで、さぞかし西洋医学的な見地からの「冷えとり」の提唱者でもある進藤義晴氏の手法を「本をよく読んだ上で」批判しているのかというとそうでもありません。かなり表面的なところから思い込み全開で書かれています。よくある「冷えとりdis」です。

 

 

あくまでも進藤氏の本を読めばわかりますが、ベースとなっているのは東洋医学の古典です。そもそも医学としてのベクトル・方向性が違うので、西洋医学の一辺倒のお医者様からすると「なんじゃそりゃ、オカルトか?!おまじないか?!」になるのもわからなくはありません。でも、日本だって近代以前は普通に「おまじない」で病気治していたんですよ。民間療法ってやつで。

 

 

ちなみに昨年の秋冬くらいからクルーソックスがブームになってますし、今年のトレンドにはソックスにスニーカーという「スポーツMIX」があるんですよ。それに五本指靴下って普通のならユニクロやしまむらや300円均一でも売ってますよ?おしゃれなやつが。ダサくもなく普通に市民権得てますよ?

 

 

冷えとり健康法でも提唱者でもあり「正統な」進藤親子の本を読んでいる限りは「宗教ちっく」なことは何一つ書かれていません。下半身を冷やさないようにしましょう、半身浴しましょう、食べ過ぎないようにしましょう、日々を小さなことでイライラカッカせずに穏やかに平和に過ごしましょう(ここが説教じみてて宗教臭いのかと思いますがごく当たり前のことでもあり最も難しいことでもあります)ってことくらいしか書いていません。

 

 

宗教(現代日本では人口1%未満のドマイナーなキリスト教)やってる私からすれば冷えとりで「心の冷えとり」に関するあたりは「人としての当たり前なこと」にしか感じません。わがままやめましょう、傲慢やめましょう、卑屈になるのやめましょう、つねに感謝しましょう、他人に思いやりをもって接しましょう…普通のことです。小学校の道徳、いや幼稚園で教わることです。「ありがとう」「ごめんなさい」がちゃんと言えるようになりましょうって。

 

 

薬は飲まないというのが「オカシイ」のかもしれませんが、そこは程度問題で、「あまりにひどいようなら」病院にかかったり薬を飲むのもいたし方がないと思います。「家族が薦めるようならケンカせず病院にかかりましょう」と『きょうからはじめる 冷えとりレッスン(進藤幸恵著)』にも書かれています。あくまでも「周囲とケンカしたりぶつかったりしてまで冷えとりの実践にガチガチになりすぎないで!好意はきちんと受け止めましょう」ということをしきりにおっしゃられています。少なくとも私の乏しい読解力ではこう読めたのですが…。あきらかに軽症なのに薬にすぐ頼るというのが問題なだけで。ちなみに薬も飲みすぎれば肝臓に悪影響を及ぼします。これは冷えとりでなくて普通の家庭の医学的な常識かと思います。

 

 

たしかに「靴下はきましょう」はありますが、天然素材の絹や綿、ウールなどがあくまでも「推奨」されているだけで、なければ手持ちの靴下を履くようにしているだけでもいいですし、シャワーで済まさずお風呂に入るようにする(ぬるま湯で腕を出して入る)、暴飲暴食はさける(ついつい旅行でたくさん食べ過ぎましたが…いまそのツケを払ってます…苦笑)といたってシンプルな健康法です。そりゃ冷えれば風邪を引きますし、暴飲暴食をしていれば胃腸や肝臓に悪影響が出ますし、小さなことでイライラクヨクヨしていたらストレスがつもりつもってうつ病になってしまいます。それは自分の身体で実証済みです。たかだか30数年しか生きてませんけど。

 

 

ただ、一枚目の絹の5本指靴下を履くと感触が気持ちいい、なんだか安心感があってちょっと健康になった気がする、ということでたちまち虜になってしまって冷えとりーなになってしまうというだけです。本当にそれだけです。そしてどんなに猛暑になってもいくら「節電」をうたっていてもお店などではなんだかんだでエアコンを効かせていますし、それが自分の体温の感覚ではないですからそういったところに出入りするだけでも足先が冷えますし、とくにくるぶしあたりは婦人科で最も大事なツボ、三陰交(さんいんこう)がありますし、足裏はそれこそ身体のさまざまなツボがありますから冷やせばそれはそれで身体に不調をきたします。私の場合は足を冷やすとすぐに下痢をしたりします。これは元々の体質ですが。

 

 

それにマクロビを実践しながら冷えとりをされている方ももちろんいますが、そうでない方だって居ますし、進藤親子の本などを読めば書いてありますが「肉もお酒もおいしく頂きます。感謝しつつも楽しく頂きましょう」「喫茶店に入ればケーキセットも頼むます」「厳格すぎる、こだわりが過ぎるのも問題」とも書かれています。全体の一割くらいはお肉を取ってもいいそうです。「身体を過保護にしすぎるのもダメ」なんだそうです。

 

 

おそらく、冷えとりがもっとも普通の人から「奇異」に見えるのは、「なんでそんなにも靴下を重ねてはいてるんだ?!オカシイだろ!」というところでしょう。靴下の重ねばきはあくまでも「冷えとり」の一部分であって「本質」ではないのです。それに重ね履きする靴下というのは非常に薄くしめつけがないようにゆるく作られています。靴の大きさでは4枚重ねてプラス1センチ、10枚重ねてプラス2センチくらいだそうです。

 

 

別に靴下を重ねなくとも「冷えないようにする」ことをしていれば「すごいゆる~い冷えとり」になります。そのレベルのことは別段「冷えとりを実践するぞ!」となる前からなんとなくやっていたように思います。寒かったら何か着たり靴下を履く、普通の反応です。まぁいつも靴下を履いているので「体温調整できないのでは?」という批判もありますが、気候に合わせつつもその人なりの「頭寒足熱」をやっていればいいのです。

 

 

それに、進藤義晴氏も進藤幸恵氏も「提唱者」ではあってもあがめられる「教祖」「カリスマ」になるつもりはない、というのが本を読んでいてもわかります。自分の頭で考えながら、周囲とうまくやりながら、自分の出来る範囲で冷えとりをしていきましょう、というスタンスです。それを一部の依存的な人が「冷たい」「毒づいている」と言っていますが、それは解釈の問題なのでしょう。私にはそうは思えませんでした。

 

 

まぁ、こういう表面だけ捉えた「冷えとりdis」的な記事が出るというのは涼しくなってきてまた「冷えとり」に興味を持つ人が出てきているのかもしれません。