piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

子どもを持たないという生き方をどう受け入れていくか―山口智子さんの発言に思う―

みなさんこんにちは、Piantinaです。
ちょっと前にスマホのニュースサイトで「おすすめ本」みたいなものの記事で気になった本に『不妊治療のやめどき』(松本亜樹子著)が紹介されていて、「不妊治療をしたものの、子どもを授かることができずに”撤退していった”人たち」のエピソードということで、不妊治療というものはしていないものの、おそらく近いうちに「子どもを産まなかった人生」と「この先もずっと夫婦二人暮らし」ということを”受け入れざるを得ない”であろう私にとっては「この人たちはどうやってその決断をしたのだろうか」という興味があり、絶賛amazonをチェック中です。

 

 

さて、そんな中、こんな記事がありました。俳優の唐沢寿明さんと女優の山口智子さんといえば「子どものいない夫婦」としても有名な人たちです。ほかにも子どもがいないながらも円満な夫婦関係を築いていらっしゃる有名人夫婦がいるのももちろん存じ上げています。あっ、日本で一番有名な「夫婦二人暮らし」な人がいましたね。安部首相と昭惠夫人でした。

 

 

ちょっと横道にそれましたが、この記事を見て、「よく”(子どもを産まなかったことに)一片の後悔もない”と言い切れるなぁ」と思ったことと「少子化問題からくるこの”妊娠・出産・子育て賛美、ママタレブーム”な流れななか、よくぞ言った!」という思いと複雑な気持ちになりましたが、果たして私が今の山口さんの年齢になってこの言葉が出てくるかどうかはちょっとわかりません。

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たしかに今、日本の大きな社会問題として「少子高齢化」というのがあって、「とにかく結婚している人たちは子どもを持て!しかも一人でなくて複数ね!しかも女性は産んだら働いてね!」と20代~30代のちょうど「出産適齢期」と言われるような女性たち、特に既婚女性に寄せるプレッシャーは大きなものだと感じています。

 

 

特に「子どもが持てない」人たちにとっては「子どもが持てなくて世間に申し訳がない」という思いと「子どもが持てなかった自分はどこか”お母さん”をやっている人に比べて、生き物として劣っている」という気持ちが強くなってしまうのではないかと思います。たとえ法的に平等であっても「将来の納税者を育てている!」「子育てという尊い仕事をしている!」と言われてしまうと、「今自分のやっていることは一体何なんだろう」と思ってしまうのではないでしょうか。

 

 

私自身は夫の両親、自分の両親からも幸いにして「孫の催促」というのはされたことがないのですが、周りの人からは結婚して3年くらいまでは「またか、これ」と言わんばかりに「子どもは?」「子どもはまだ?」と聞かれまくりました。もういい加減この発言は「セクハラ」と認識してくれないかなぁと悩んだ時もありました。

 

 

だけども不思議なものでしょっちゅうしょっちゅう聞かれるともう「子どもは?」と聞かれて「いません」と言えますし、「まだなの?」と言われようものなら「そうですねぇ~それは神様しかわかりませんから笑」と言うくらいはできます。近頃ではさすがに聞かれなくなりました。もう「この人たちの子どもを期待しても無駄」というポジションに入っていったんですね。

 

 

まぁ私たち夫婦の場合は結局これからの日本では子どもを持つことにリスクが大きすぎることや自分たちの年齢からしても自然に授かる可能性が低くなり、子育てができる体力があるか心配になること、この国の子どもや若者にかかわる福祉や教育の予算の当て方や充実度や質を考えに考えた結果として、その入り口でもある「不妊治療」すら受けることをあきらめてしまいました。 治療ですら年間150万くらいかかるわけですから、コンパクトカー1台、またはちょっといい軽自動車が新車で買えちゃいますから。

 

 

でも、不思議なことに、今、「子どものいない既婚女性」はシングルマザーと同じで「(子どもがいる既婚女性より)不幸でなければいけない」ように思われている節があります。幸せなのは「子どもが複数人男女バランスよくいる、夫のいる既婚女性」なのでしょうか?でも、DINKSでもチャイルドフリーでもシングルマザーでも未婚でも幸せで日々が充実している人もいますし、子供がいても不満だらけ愚痴だらけの人だっています。げんに山口さんもこんなことをテレビのバラエティでおっしゃっていたようです。 

山口智子、夫・唐沢寿明との円満の秘訣は「毎晩手をつないで寝る」 | マイナビニュース

おそらくこの夫婦は本当に絆が深くて「かすがい」などなくても十分にやっていける人たちなのでしょう。確かに唐沢さんが山口さんをどう思っているかは気になりますが、赤の他人である私たちが詮索するほうが「”ゲス”の勘繰り」です。

 

 

芸能人夫婦でなくても、ちょうど唐沢さん・山口さんご夫妻と同年代の夫婦二人暮らしの人たちを見ていますが、やはり洗練されていて素敵なご夫婦でした。仮に子どもがいてもそれなりにお金に困らずに生活できたかと思いますが、その分東京と某山のリゾート地に家を構えて(どうやらご主人が山が好きな方らしい)、いろんな方との交流を持ったり、その方たちの甥っ子さん姪っ子さんとも仲が良い様子でした。

 

 

夫婦二人だからこそ、奥さまの母親、そして大親友までも急逝してどん底に落ち込んでいたときにご主人が「おい、落ち込むのもいい加減にしろ!そんなんじゃ、お前まで"向こう"に足を引っ張られてしまうぞ!いい加減前を向け!」と叱咤激励して奥さまのほうもそれでやっと元気が出た、というエピソードを聞くことができました。二人しかいないわけですから、どちらかが倒れそうになったときには励ましあって生きることができるのは「年季の入った子どもがいない夫婦」ならではなのかなと思いました。

 

 

とはいっても、今おそらくアラフィフくらいの年代で「DINKS」だった人たちでも、もしかすると「まだ産めるかもしれない」30代、40代のころは気持ちは表に出さなくとも揺れに揺れたのではないかと思います。そんな年代を通り越して50歳を迎えたときに山口さんのように「後悔はありません!子どもがいなくても今幸せです!充実してます!」と心から言えるようになれたらなぁと思います。