piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

自閉症の人が楽しめるクラシックってなんだろう

みなさんこんにちは、Piantinaです。
私はクラシック専門のインターネットラジオOTTAVAのリスナーでもあり、ここ最近は「聴き専」から一気に「バリ活」のリスナーになりつつあるのですが、先々週の水曜日、ちょうどGMの斉藤さんがプレゼンターをしている「OTTAVA Salone」にメールをしました。

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メールの内容は(長くなるので)まとめますと、感覚過敏を持つうちの夫が聴けるクラシックの楽器またはジャンルなどはありませんでしょうか?もしおありでしたらオススメを教えていただきたい、という内容です。これも前の記事などを読んでいただければお分かりになるかと思いますが、うちの夫はいわゆる「大人の発達障碍者」です。成人後に発達障害アスペルガー、今は自閉症スペクトラム)と診断されたのです。

 

 

で、この手の障害を持つ人たちというのは定型の人にはない独自の「感覚」を持っていて、うちの夫の場合はこれは「キーンとした高い倍音」が大の苦手なのです。具体的な楽器を挙げれば、ヴァイオリン、パイプオルガンあたりでしょうか。オルガンに関しては私からすれば、ストップ(音栓)でいうと「ミクスチャー(MIXTURE)」などを入れなければだいぶ音質としては柔らかというかマイルドな感じの音色に変わると思うのですがね。

 

 

私としては倍音と重低音ばかりがオルガン音楽でないし、オルガンが活躍するキリスト教の教会の礼拝でもそんなに倍音や重低音の重厚で長い曲というのはあまり演奏しません。というかよほどでない限りセレクトしません。ちょっと変化をつけさせるためにストップを加えたり減らしたりするくらいです。

 

 

で、メールを出したその当日には読まれなかったのですが、先週、タブレットの方で聴きだしたらちょうど読まれていたらしく、聴いていました。そこでオススメをされたのが、

  • 弦楽器系統ならばヴァイオリンよりも音域の低いヴィオラやチェロなど。チェロの周波数は人間の声の周波数に最も近いそうです。
  • 管楽器系統ならば、クラリネット
  • アカペラの合唱(宗教曲などですね)などもいいかも

とアドヴァイスをいただきました!ありがとうございました!ブラームスクラリネットソナタ、ぜひ買います(CDショップに行ったら)。メモしました!

 

 

で、そこからふと思いついたのです。
いつだったか、ニュースを見ていたら「自閉症の子どもたちにミュージカルを演じる」という劇団が取材されていました。場所はNYですが。まぁNYといえばもう世界有数のエンターテイメントの都市と言っても過言ではないでしょう。ブロードウェイもありますし!しかし、普通にミュージカルを観ようとしても、自閉症を持つ子どもたちは突然のスポットライトの照明や、音響にパニック状態になることがあるようで、そういった「舞台演出なし」の劇をボランティアでする劇団がある、ということでした。照明最小限に抑え、音楽も音響機材につながないものです。

 

 

もし、クラシックのコンサートにも「自閉症の子どもでも”低刺激”のクラシックコンサートがあればいいのかな」とふと思いついたのです。そもそもクラシックというジャンルはあまり音響機材やアンプにつなぐこともないですし、楽器の生音で奏でられます。まぁ突如pppからいきなりffffあたりにバーンとなってしまうとそれはパニックになるかもしれませんが、もともと静かで緩やかな楽章のところだけ演奏したりすればいいのかなぁと思いました。客席も暗くしないでおけばより落ち着いて聴けますし、会場ももしかしたらステージがない(低い)ところならいいのかなと思います。落ち着かせるために休憩を多めにしたり、演奏中でも出入り自由という形にしたりという感じで(演奏家の方の集中が心配ですが)。

 

 

まぁあくまでも私の思い付きであってふわっとした「こんなのあったらいいなぁ」という思い付きなのですが、ほかのジャンルに勝ってそういう生楽器の良さがでるのがクラシックなのですから、ぜひどこかでやって欲しいなぁと思うのです。