piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

綺麗事ではないのは本当。

ちょっと気になった記事があった。


綺麗事だけじゃやっていけない…発達障害児を育てるママの声

 

我が家は子どもはいないのだが、仮に子どもがいれば「父親遺伝の発達障害児」が生まれる可能性は非常に高い。よく夫側が高齢だと自閉症児が生まれるリスクが高まるとかあるけれど、さらに輪をかけて「夫そのものがアスペルガー」なのだ。きちんと精神科で診断が下されて以来、私たちの間では「人間の子ども、とくに自分たちの血を引いた子どもを持つこと」に関してはあきらめが出てしまっている。だから積極的に不妊治療だとか「妊活」なんてのはしていない(そもそもそんなお金が無い!というのもあるのだが)。

 

「それでも、生まれてきた子どもはかわいいし、そのぉ、自閉症だろうとADHDだろうと産んでみればいいじゃないの!ご両親だってもうそろそろお孫さんが見たいんじゃないの?!」とテンプレなことを言ってくる人はいるかもしれない。が、ハッキリ言って余計なお世話でしかない発言だ。もうこちらとしてもあきらめていることだし、一方的に価値観を押し付けられるのはごめんだ。それに経済的にも大人2人ならギリギリやっていけるレベルの貧乏人なのは自覚しているし(ちなみに夫は「貧乏子沢山系の番組」はあまり好きではないようだ)。

 

そして「常にアスペルガーと接していなければならない」私にとっての3年余りの結婚生活はまさに「どうやら地球人にたいして興味が無いと言っているらしい宇宙人をそれなりに理解し、かんしゃくを起こさせないポイントを探る」時間でもあったりする。もちろん発達障害があろうと無かろうと新婚生活の「お互いの生活観のすり合わせ」は大変なのだが、さらにアスペルガーとなると「???」となるところがありすぎたり「どうして相談もしてくれないの」と苛立ちを感じたり、こちらの斜め下の対応をしてきたりだ。しかも決して夫本人には悪意だとか悪気があってしていることではないと思うと、大きなため息が出る。「ああ、定型発達の旦那さんだったら○○だったのになぁ…」と思いをはせることすらある。でも私に見る目が無かったんだろうなぁと思って受け入れていくしかない(もちろん夫自身にも長所というかいいところがあるのもわかっている…つもりだ。)。

 

大人の発達障碍者と暮らしていくだけでもいわゆる「カサンドラ症候群」になったりとかしているのに(もしかしたら私も「カサンドラ症候群」になりかかっているのかもしれない、と思うことはある)、さらに子どもがいたら唯一の定型発達である奥さん(お母さん)はもうパニックだろう。「もー面倒見切れない!」となること間違いなしだ。

 

もちろん生まれてくる子どもだって「なりたくて」発達障害に生まれてきているわけではないのも頭では分かっている。大人になってから発達障害の診断が下された人だって「好き好んで発達障害になっている」わけではないことだってそう。だけども、こちらの想いだとか愛着だとかを「悪気無く」奪い取ってはポイっとどっかに放り投げるようなことをされたり言われたりするとやるせなくなってくるのだ。