piantinaの日記

日本のとある教会で弾いてるオルガニストの毒にも薬にもならない戯言

憐れむのでもなく、蔑むのでもなく―「子どもがいないことを”残念”だと言われて」という記事を読んで―

みなさんこんにちは、Piantinaです。
先日twitterを眺めていたらはてなブログさんのアカウントから「人気記事」ということで流れてきたので、タイトル的に興味をひかれたので読んでみました。

www.catlani.com

 

このきゃとらにさんは結婚して4年目ということで、我が家もだいたい年数が変わらないです(やっと今月で5年になります)。でも子どもはいません。まぁ夫と同業で後輩にあたるような感じで既婚の人なんかはもう子どもがいたり、「生まれる予定です」という人もいて、若干の焦りを感じないわけではないですが、年齢的に「治療が必要です」と言われるだろうし、私も夫も「高齢」になるわけで何らかの障害などがあるのかもしれない、いや、父親が高齢かつそもそも自閉症スペクトラムアスペルガー)じゃかなりの確率で発達障害を持った子どもが生まれてくるのはほぼ確実だろうし、そもそも経済的に厳しくなっていく状況を見て「ああもしかしたら副業を持つこと方向で考えないといけない、もしくは夫婦共働きでやっていかないといけないかも」という感じになってくるのはいうまでもありません。

 

 

これまで幾度も「子どものご予定は?」「子どもは?」と耳に胼胝ができるレベルで聞かれたり、ワンピースを着ていると「あら、おめでた?」と割と「好意的な方向」で言われるので、「なんだかそんなに期待されているのかなぁ」とも思ってしまうわけですが、「子どもはいません」と言って「I'm sorry」「お気の毒に」と憐れまれたことはありません。「聞いちゃいけなかった?ごめんなさいね」と謝られることならまぁまぁあります(謝りもしない人もいますが)。

 

 

世間的には「子どもはいません」というとなんだか「この人たちは子どもがきっと嫌いな人でなしなんだ」とか「この人たちは自分たちのことしか考えていない、わがままだ」とか「お金がない?高齢だ?んなの言い訳だ!」とか何かと「既婚者だけど子どもを産んでいない女性」に対しての目は厳しいものになっています。それもそのはず。少子化ですから。

 

 

まぁだた「妊娠、出産という”女”としての重大なイベントをこなさない、こなせないなんてかわいそう」という憐れみと見下しの半分半分の意見というのはあるのかしれません。でも、世の中には「子どもが欲しい」と熱望して、大金と時間をつぎ込んで、時には苦しい思いや精神的に病みかかってまで治療を受けて、治療からリタイアして「子どもを持たない」ことを受け入れている人もいますし、欧米などで見られる「チャイルドフリー」という考え方を持っている人などは「先進国で子どもを産み育てるのにかかる費用は発展途上国の子ども30人分(1クラス分ですね!)かかる、地球全体で見れば人口は爆発していて環境のことを考えたら、いちいち先進国でお金やエネルギー(電力や水道など)をかけてまで子どもを産み育てる意味がない」という人もいるでしょう。

 

 

それに女優の山口智子さんのように「血のつながりを重視していない」という見方をしている人もいます。まぁ私も甥っ子姪っ子もいますし(夫のほうですが)、実家の方の親戚というのもいないわけではありません。教会で教母(代母)をしている子どもがいますから(もう小学校2年生くらい?)、「血はつながっていないけれど、1人のクリスチャンとして育てなければならない(けど遠方にいて失礼してしまっている)」存在の子どもはいます。単に自分がお腹を痛めた子か、そうじゃない子かの違いです。

 

 

 

教会の教父母(代父母)というのは昔々古代ローマの時代にまだまだローマでキリスト教が認められていなかったころ、生まれてすぐ洗礼を受けた子供に「実の両親が迫害や病気などで亡くなったときに両親に代わって育てる成人の信者」という人たちが付きます。成人洗礼でも教父母は必要です。いわゆる「名親」とも言われています。役割としては教会という共同体で育っていく過程でその人に必要なことを教えたり、相談に乗ったりする存在です。もちろん今ではほとんどは実の両親が育てていって、教父母はせいぜい「背中を見せる」くらいのものですが、見せられる背中じゃない信仰で本当にすまないなぁ…と思ったりします。

 

 

あ、あと我が家は毎月わずかながらのお金ではありますが途上国の子どもに寄付をしています。時たまそのボランティア団体から子どもの写真や手紙が送られてきます。ついつい日本にいると国内の、せまっちい問題ばかりが大きくクローズアップされがちですが、世界には困っている子どもたちはたくさんいます。もちろん日本にも格差が広がって困っている子どもたちがいるわけですが、増やすばかりがすべてではないだろうと思っているのです。

 

 

まぁ一番の答えとしては「そうなんだ」の一言。それ以上は何も言わないのが一番かと「子どもがいない主婦」の私はそう思います。