「ただの主婦に学歴はいらない」というのは暴論。その２
続きです。
私は大学を出てからはあまり大学名をオープンにしたくない、というのが私自身の本音でもあります。名の知られている大学なので、自分がダメダメ人間なのに出ている大学名だけは立派となると「なんだコイツ」「教養が邪魔をしているのね」と思われたり、ことさら男性だと「オレよりいい大学出やがって」と嫉妬されることもあるので、履歴書に書いたり面接のときくらいにしかアピールしません。そのほかでは聞かれれば正直に答えますが、聞かれなければ「たぶんどっかの音大のピアノ科でも卒業したのかな」くらいにしか思われていないと思います（たまに教会でも私が音大を卒業していると誤解されている方はいます）。
あ、で、「主婦」という仕事に学歴は必要か？ということですが、「学歴」ではなくて「教養」は必要に思います。家庭科で勉強したこと、そのほか「家庭」というものを「運営」していくにはさまざまな学校の教科の要素が必要になるかと思います。算数しかり、保健体育しかり。国語や社会だって「役に立たない」わけではありません。ニュースの意味を知るには社会科の背景知識がなければ「？？？」となりますし、役所で手続きするのにも役に立ちます。それに今はいろんな情報端末もありますし「機械苦手なの～！」と逃げてばかりはいられません。すくなくとも「この仕組みはどうなっているか」とかを理解できなければいけません。そしてブログばかりでなくSNSで誰もがインターネット上に文章を投稿したりすることができるようになりましたし、色んな情報をインターネットで収集するのに「読解力」も必要です。
また、お金があっても計算ができなければ赤字になりますし、主婦の仕事のひとつに「お金を管理し、適正に使う」こともあります。また料理を作るにももちろん娘時代からお母さんの手伝いをしていたなどという経験も必須ですが、家庭科をはじめ理科、保健体育などの知識も必要になります。家族の健康管理も主婦の仕事のひとつです。「何の栄養をとるべきか」「栄養バランスの取れた食事を作るには」ということがわからなければ家族が病気になったり体調が悪くなります。だからこそヤンキースのマー君に「手作りの栄養タップリの食事」を作っている里田まいさんが「いい奥さんだね」と言われているのにはそういうサポートをきちっとされているからなのです。
ことさら子どもがいれば、「おかあさん、あれなあに？」「これどういう意味？」という質問に答えられなければいけないと思いますし、教養や知性のあるお母さんならばきちんと子どもの質問に答えたりできますし、「○○ってこうなのよ」と教えられる「母親の教養度」は子どもの教育の上で大事だろうと思います。それこそ勉強が得意だったお母さんならば子どもをいちいち塾に通わせる必要もなく、勉強のやり方を教えられますし、塾代がかかりません。
ただ、「教養」というのはもちろん学歴関係なく本人が「教養を身につけよう」と思えば身につけられるもので、必ずしも「受験勉強で身につけたもの」ばかりではありません。だけども「学ぼうとする姿勢」というのはそれこそアスリートなどによく言われる「努力する才能」に似たもので、ある課題に対して「知識を身につけよう」とか「自分で調べてみよう」ということを「ごく自然に、あたりまえに」できてしまうものかと思うのです。
ですので「主婦に学歴はいらない」というのはちょっと乱暴な言い方だなぁと思います。高学歴を獲得できるのは当然本人の努力半分、親の力（経済的、その他もろもろのサポート）半分でもあります。やはり高学歴なのは社会階層としても中流以上で父親の職業がホワイトカラーであることが社会調査でもわかっていることです。さらには母親は専業主婦が多いとも言われています。
それにプラスして「世渡り上手」ということも付け加えておきます。ことさら女性の集まり、井戸端会議だのママ友だのというと「女性の集まりの中で嫌われないようにするには」ということも必要になってきます。しかも近頃では「ママ名刺」なんてものまでできているようです！自分と子どもの名前だけでなくご主人やご主人の会社名や部署まで入れているとか！そんなの、私なんかママカーストの最下位あたりに行く自信だけはあります（笑）それこそ夫の職業は「知的職業でありながらワープア並みの年収」ですから。
長々と書いてしまいましたが、主婦には「立派過ぎる学歴」は必要はないと思いますが、「賢さ」や「教養・マナー」は必要かと思います。
